ドケルバン病は手首の腱鞘炎の一つで、親指と手首をつなぐ２本の腱（短母指伸筋腱、長母指外転筋腱）とその腱が通る「腱鞘」が擦れて炎症を起こすものです。

この腱と腱鞘の間に摩擦が強くなって炎症を起こすと、指や手首を動かした時に痛みを感じるようになります。

ドケルバン病は、直接的には手の使い過ぎが原因であると言われており、仕事や家事、育児、スポーツや楽器演奏などで手を酷使している人に起こりやすい傾向にあります。

また、近年はスマートフォンやパソコン、ゲーム機などの長時間の使用で発症する人も増えてきていると言われています。

さらに、女性は妊娠や出産、更年期で突発的に発症することも多く、この場合は手の酷使以外に女性ホルモンの乱れも関係していると考えられています。

特に産後は、出産を機に女性ホルモンであるエストロゲン（卵胞ホルモン）が急激に減少します。エストロゲンには炎症による腫れなどを改善する作用があるため、産後は腱鞘炎を発症するリスクが高い時期だといえます。

実際に産後の腱鞘炎で悩む女性は多く、手を使い過ぎないことが第一の予防とされているものの、プロゲステロン（黄体ホルモン）という女性ホルモンも減少するため、ただでさえ心身ともに大きな負荷がかかりやすいです。

休みたくても育児で忙殺されてなかなか休めないとは思いますが、無理を重ねれば症状は悪化しやすいですし、疲労が蓄積して色々な不調も起きやすいので注意が必要です。

また、糖尿病がある人も手足の血流が悪くむくみやすいため、ドケルバン病などの腱鞘炎になりやすいことが分かっています。

病院では安静を第一として、サポーターを用いた装具療法や炎症を抑える薬物療法が行われますが、症状が改善しない場合はステロイド注射や腱鞘を切開する手術が行われることもあります。

ただし、ステロイド注射は繰り返し使うことで腱が弱くなって切れてしまうこともあるので注意が必要です。
当院は原因に直接アプローチしていきますので、痛みは伴いますが、確実にしかも短期間での改善が期待できます。